SAGUAROベアフットシューズのレビュー
SAGUAROベアフットシューズは爪先の5本指上の凹凸が目立ちますが、この形状には特に機能はありません。内部は普通のシューズです。
ストレッチ素材の生地が特長的で、大きく伸縮するので履き心地は抜群!ゴム製のシューレース(靴紐)と相まって脱ぎ履きも簡単なので、普段使いの一足としておすすめです。
ただ、この伸縮性が走る上ではマイナスに働いているが残念なところです。
- 総合評価:★★☆☆☆
- ホールド感:★☆☆☆☆
- 裸足感覚:★★☆☆☆
- 使いやすさ:★★★★★
- 耐久性:★★☆☆☆
- ドロップ:0mm(つま先・踵の高さが同じ)
- 重さ:約210g(片方)
アウトソールのラグはオフロード形状でグリップは弱め
アウトソールの素材は硬めだが、曲がりは十分
アウトソールのゴムの素材は硬めです。しかし柔軟性は申し分なく、しっかりと曲がります。
硬い素材のためか滑りやすく、グリップは弱いほうです。
ラグが深く大きい。オフロードには良いが、裸足感は損なう
ラグ(靴底の凹凸)の形状が特長的で、オフロード車のタイヤのような形状をしています。一つ一つが大きく平なので、ロードでのグリップは弱いです。また、深さもあるので、ゴムの硬さと相まって、裸足感覚が損なわれています。
山道のようなオフロードを走る場合はこのようなラグが有効なのかもしれませんが、ロードやグラウンドでは効果は発揮できていませんね。
生地の伸縮性が抜群!しかしホールド感が犠牲に
アッパー生地の伸縮性がすごい!
アッパーに使われている生地の伸縮性がすごいです。写真にもある通り、中で指を上げると生地が伸びて指の形がわかるくらいです。このため、足への当たりが柔らかく、履き心地は素晴らしく良いです。
しかし、走るときはこの伸縮性が逆効果。足の動きに合わせて生地も伸びてしまうので、足を押さえることができず、シューズの中で足が揺れてしまいます。踵のホールドも弱いので、接地時は足が中で滑ります。
ゴム製のシューレースは簡単だがホールドが弱い
シューレースには伸縮性のあるゴムが使われているのですが、これがさらにホールドを弱くしています。接地時にゴムが伸びるので、足をしっかりとシューズに固定することができず、足裏がシューズから離れてしまいます。全力で走るとパカパカとまるでスリッパで走るように揺れます。
SAGUAROに限らず、シューレースにゴムひもが使われているものはホールドがどうしても弱くなるので、スピードは出せなくなります。
結ばなくてよい靴ひも「COOLKNOT」は硬めのゴムを使っているうえ、ゴムの凹凸が全シューレースホール(穴)に引っかかるので緩みにくく、他のものよりかなりホールドは強いですが、それでも強く走るとホールド不足を感じます。COOLKNOT以外のゴム製のシューレースでは明らかに力不足です。
踵に芯は無く、生地が伸びるので踵を支えられない
踵に芯は無ありません。生地に伸縮性があるのに踵に支えが無いので、接地時の衝撃を受け止める部分がありません。
Tesla トレイルシューズと同様に、外側から踵は補強されていますが、SAGUAROベアフットシューズは踵の生地が弱いのでこの程度の補強ではまかないきれません。
インソールは取り外しを推奨
インソールが分厚い
インソールが分厚く、接地感を悪くしています。インソールは取り外せるので、できれば外しましょう。インソールなしだと他のベアフットシューズに負けない、裸足感覚が得られます。
インソールが柔らかいのに簡単に取り外せるということは、接地の衝撃でずれやすいということでもあります。高価なランニングシューズの場合、インソールが硬くてずれませんし、その上で接着しているものもあります。ずれによるロスを防ぐという観点からも、インソールは外したほうが良いでしょう。どうしても使用するなら、両面テープを2か所程度貼って、靴に軽く固定したほうが良いです。
走りには難ありだが、日常使いではおすすめ
履き心地は◎普段使いにおすすめ
ホールドが弱すぎるのが最大のマイナスポイント。グリップは物足りないですが、使えないレベルではありません。大きなラグとインソールが裸足感覚を損なってはいますが 、インソールを外せば問題ないレベルにまで改善されます。
足を入れたときの感触はすごく良いので、ホールドさえしっかりできれば、と残念な思いもありますが、このシューズの場合はホールドを犠牲にして快適さを実現している、とも言えます。
ストレッチ素材のアッパーが生み出す感触は驚くほど快適で、この感触は他のシューズでは得られません。
靴ひもを結ぶ必要はありませんし、伸びるのでスリッポンのようにサッとはくことができます。
この感触と使いやすさのためだけで、手元に置いておきたいと思えるほどです。
普段使いの一足としておすすめですよ。